体操系アクロバットの技
倒立
Handstand
両手だけで体を支えて逆さに止まる技です。前方倒立回転跳び(ハンドスプリング)やロンダート、バク転など、ほとんどの倒立回転系の技の土台になります。
3Dで見る倒立
視点を自由に回し、一時停止やスライダーで各局面を確認できます。
この3D図解は、学校体育・体操の倒立の形をもとに、局面ごとの姿勢(胴の回り・背中の丸め・首と脚の関節の角)を人の関節が動く範囲の中でなめらかにつないだ動きです。骨の長さは一定にしています。踏み込みでは床に着いている足を止め、蹴り上げでは踏み込んだ足の裏を床に着けたまま(足首が曲がる限界に近づいたらかかとを上げて)指の付け根のまわりに重力で倒れ込む回り方を運動方程式で計算し、手首が床に着いた瞬間に両手を床に止めています。手だけで支えている間は、体全体の回り方を「手のまわりの角運動量の変化=重力の回す力+床の力の回す力」から計算し、床の力の作用点を手のひらの中(手首の少し後ろから指先まで)で動かして重心を手のひらの上に保っています。止まっている間は重心の目標をわざと小さく揺らし、指で押し返す動きを再現しています。降りる所は踏み込んだ足を先に着け、回る勢いを止めずに足を軸に回って、そのまま上体を起こして立つようにしています。実際のフォームは指導者や目的によって異なります。
倒立とは
倒立は、両手を肩幅に着いて逆さに立ち、肩・腰・足首を一直線にそろえて止まる技です。片脚を前へ踏み込み、上体を振り下ろしながら後ろの脚を振り上げて両手を着き、その回る勢いで両脚を上げます。勢いが足りないと戻り、強すぎると向こうへ倒れます。
止まるポイントは、「肩で床を押し上げて体を締める」ことと「指で床を押し返す」ことです。倒立では重心が手のひらの上にあり、前(指の側)へ倒れそうなら指先で、後ろ(手首の側)へ倒れそうなら手のひらの付け根で床を押して直します。この小さな揺れを直し続けるのが倒立のバランスです。
3D図解は、立った姿勢から片脚を振り上げて倒立で止まり、来た道を戻って立つまでの形で作ってあります。止まっている間の重心の小さな揺れと、指で押し返す動きも入れてあります。視点を「左から」「右から」にすると、肩・腰・足首が一直線にそろう形がよくわかります。
動きの流れ
- 構えまっすぐ立ち、両腕を前へ伸ばす。
- 踏み込む片脚(左)を前へ大きく踏み出しながら上体を倒し始め、止まらずに倒れ込みへつなぐ。踏み込んだ足は足の裏全体を床に着け、膝を前へ曲げる。後ろの脚(右)は伸ばし、足首を伸ばしてかかとを上げ、指の付け根で床を押す。
- 振り上げる背中を大きく丸めて腕を床へ下ろし、踏み込んだ足の前に両手を肩幅に着く。手を着いた時は腕を少し前へ傾け、肩は手より少し後ろ。手を着く時は肘を少し曲げて受け、すぐ伸ばす。手を着いてから後ろの脚を高く振り上げる。
- 倒立になる踏み込んだ足は足の裏で床を押し、足首が曲がりきった所からかかとを上げて、最後に指の付け根で押し切って離す。回る勢いで両脚を上へ。倒立に近づくにつれて肩を手の上に乗せる。肩で床を押し上げ、肩・腰・足首を一直線にそろえる。
- 止まるおなかとお尻を締めて体をまっすぐに保つ。倒れそうな向きに合わせて、指先と手のひらの付け根で床を押し返す。視線は両手の間。
- 降りる背中を丸め、踏み込んだ脚(左)は伸ばしたまま床へ迎えにいく。着く直前に足首を返し、指の付け根から着いてすぐかかとを下ろし、足首で衝撃を受ける。回る勢いは止めずに足の上を通る。振り上げた脚(右)は股と膝を曲げて屈伸の形で下ろす。来た道を戻る。
- 立つ手を離したら止まらずに上体を起こし、背中の丸めも起き上がりながら戻す。腕は前に出したまま、足はそろえず前後に開いたまま立つ。
練習の段階
上から順に、前の段階が安定してから次へ進みます。
- 壁倒立壁に向かって片脚を振り上げ、かかとを壁にもたれて止まる。肩で床を押し上げ、まっすぐな形と逆さの感覚を覚える。
- 補助倒立補助者に脚を支えてもらって止まる。振り上げの勢いの加減と、体を締める感覚を覚える。
- 壁から離す壁倒立で止まった後、かかとを壁から少し離して指で床を押し返し、一人で止まる時間を伸ばす。
- 一人で止まる壁なしで振り上げて止まる。倒れそうなら、前なら前転、後ろなら片脚から下りられるようにしておく。
よくある失敗と直し方
- 上がりきらずに戻る振り上げの勢いが足りないか、手を着くのが遅い。上体を思い切って振り下ろし、手を着く時には後ろの脚がすでに高く上がっているようにする。
- 向こうへ倒れる勢いが強すぎるか、指で押し返せていない。指先で床を強く押し、それでも倒れるなら前転で下りる。
- 体が反る(お尻が落ちる)おなかとお尻の締めが足りない。肩で床を押し上げ、おなかを引き込んで肩・腰・足首を一直線にそろえる。
- 肘が曲がる肩で床を押し上げる力が足りない。腕は胴と一直線にして肘を伸ばしきり、肩をすくめるように床を押す。
トリッキングはACST-BJでも習えます
トリッキングが得意分野のくらと先生が在籍しています。レッスンは個人指導が基本なので、自分のレベルに合った技から、クッション性のある専用スタジオで安全に練習できます。実際の動きを見ながら、踏み切りや回転のクセを一緒に確認していけます。
体験レッスンを予約する トリッキングを習いたい・講師について聞きたいなどのご相談はお問い合わせからどうぞ。アクロバット技には怪我のリスクがあります。宙返りや多回転の技は、指導者のいる環境やマットのある場所で練習してください。